ストレスを解消する方法 | 職場やプライベートな時間でできる対処法を紹介

仕事でのストレスの原因は、仕事内容や職場の環境、人間関係など多岐にわたります。その中でも、厚生労働省の「令和2年(2020年)労働安全衛生調査」をもとに、仕事上のストレスでよくある原因4つを紹介します。

原因1. 業務量が多い
強い不安やストレスを感じる事柄の1位は「仕事の量(42.5%)」という結果がでています。自分のキャパシティを超える仕事量が割り振られると、残業をしなければ仕事が終わらず体力的な負担が大きくなります。また、体力的な面の問題だけでなく、社員の間で仕事量の割り振りに偏りがある場合、「自分だけが忙しい」と感じて、精神的にも追い詰められてしまうこともあるでしょう。

原因2. 仕事で失敗をした
ストレスを感じる事柄の2位は「仕事の失敗、責任の発生等(35%)」という結果になっています。特に、20歳未満は47.1%、20~29歳未満が43.8%と20代以下の数字が平均値と比べて高いことが分かりました。このことから、まだ仕事に慣れていない若手世代が特に仕事上での失敗に不安を感じていることが見て取れます。誰しも失敗する経験はあると思いますが、自分の失敗のせいで会社や取引先などの関係者に迷惑をかけてしまうと、罪悪感からストレスが溜まることもありますし、失敗を上司やクライアントから責められてストレスになることもあるでしょう。

原因3. 業務内容が合わない
続いて、ストレスを感じる事柄の3位は「仕事の質(30.9%)」という結果がでています。業務内容が合わず、やりがいを感じられない状況が続くのも大きなストレス要因です。また、異動や転勤など、業務内容が変化したときに自分のスキルが活かせないと、思うように成果が上げられずストレスにつながることもあります。仕事によって得られる達成感がなかなか感じられない状況が続いてしまうと、ストレスが溜まってしまうこともあるでしょう。

原因4. 人間関係でうまくいっていない
ストレスを感じる事柄として4位には「対人関係(27.0%)」という結果も出ています。会社には個性の異なる様々な人がいます。年齢やポジションもさまざまで、自分と考え方や価値観が合わない人がいることもあるでしょう。

また、パワハラ・セクハラ・モラハラといった同僚や上司からのハラスメント行為も近年問題視されてきています。不快な言動を受け続けることは心身に大きな負担を与えてしまうことになります。そのため、職場の人間関係が良好に築けていないと、我慢しながら働き続けなければいけなくなり、ストレスが溜まってしまう結果となるでしょう。

仕事でストレスが溜まったときには原因を知ったうえで対応するのも大事ですが、その環境から少し離れてリフレッシュするのもおすすめです。プライベートな時間でできるストレス解消法を以下に4つ紹介します。

十分に睡眠をとる
質の良い睡眠はストレス解消法として効果的です。適切な睡眠時間は体質や年齢、性別などの要因から人によって異なります。ただし、目安としては、日中起きている間にあまり眠くならない程度の睡眠時間が確保できていれば問題ありません。

寝る前にはスマホをチェックしたりカフェインを摂取したりすることは避けましょう。湯船に浸かる、好きな香りのアロマを楽しんだり、音楽を聞いてリラックスしたりする時間を設けることが大切です。リラックスできる時間を寝る前につくることで、睡眠を促す副交感神経への切り替えを助ける効果が期待できます。さらに起床後は日光を浴びて、朝食をしっかり摂ることで心身の切り替えがしやすくなり、心地よい睡眠習慣が得られます。

運動など適度に身体を動かす
ストレスが重なると緊張した状態が続き、心身に悪影響を及ぼします。その緊張をほぐす方法として、適度な運動を行うことがおすすめです。特にパソコンの前で長時間同じ姿勢を取っている人は、筋肉をほぐし緊張を和らげるストレッチやヨガなどを定期的に行うと良いでしょう。仕事のことばかり考えてしまう人は、ジョギングや水泳などの有酸素運動で無心になれる時間を作ると気分転換ができます。

なお、スポーツを行うときに勝負にこだわり過ぎると、新たなストレスの要因になり得ます。まずは、リフレッシュすることを意識して気軽に運動を楽しむようにしましょう。

好きなものを食べる
仕事を頑張った自分へのご褒美として、好きなものを食べて、プチ贅沢をする日をつくることもストレスの解消に役立ちます。仕事が忙しいときほどランチを手軽に済ませてしまうことも多いかもしれませんが、昼食の間はしっかり休むことを意識して、好きな食事をとることは良い気分転換になります。ただし、食べ過ぎると眠くなり業務効率が落ちることがあるので、注意が必要です。また、ビタミン、ミネラル、タンパク質などの栄養素をバランス良くしっかりとることでストレスに強い身体を作ることができるので、意識してみると良いでしょう。

親しい人と会話をする
親しい人と会話をし、たくさん笑うことは、とても効果的なストレス解消法です。会社の同僚に言いにくい話があれば、信頼できる友人や家族に悩みを打ち明けてみると安心感から気持ちが楽になることがあります。また、違う立場からの意見を聞くことで、思わぬ解決策を得られることもあるでしょう。

また、社内に気楽に話ができる仲間を作っておくことも大切です。雑談はもちろん、仕事の悩みも相談できるようになると、ストレスを小まめに発散できるようになり、ストレスを溜めずに仕事をしていけることにもつながります。

仕事を辞めたいと思ったときに!職場でできる対処法4選
さまざまなストレスの要因が積み重なり、仕事を辞めたいという気持ちが出てきてしまうこともあるでしょう。しかし、転職は相当のパワーと時間がかかるので、まずは仕事の方法や思考の癖を変えてみることで、ストレスを減らせないか検討してみてください。ここでは、有効的な対処法を4つ紹介します。

仕事を整理して目標設定をしてみる
仕事量が多く、何から手をつければ良いのかわからなくなると、集中力が続かなくなり効率も悪くなります。そんなときは一度立ち止まり、自分の目標設定をしてみることが大切です。

目標を明確にすることで、「何のために働いているのか」を整理でき、仕事へのモチベーションがあがる効果も期待できます。さらに、達成したい目標を定め、週や日ごとのやるべき作業を逆算して決めることで、毎日最低限のタスクが洗い出せるので目下のやるべきことが分かるようになります。また、難易度の高い仕事を任せられたときも、目標をしっかり設定することでゴールまでの道筋が見通しやすくなるでしょう。自分の仕事量が明確になるとプライベートの予定が立てやすいため、ワークライフバランスが保ちやすくなりストレス軽減にもつながります。

1人で抱え込まずに、仕事を人に振り分ける
責任感の強さや周囲への遠慮から人を頼らず、仕事を全て1人で抱えて自分のキャパシティを超えてしまっている人もいるでしょう。そんなときは、周りを頼るという選択も必要です。仕事の品質や期日が満たせなければ、結果的に上司や取引先などに迷惑をかけてしまいます。期日までに業務を終えるためにも、早めにスケジュールを立てて、自分以外の人でもできる業務があれば、割り振れないか、人員補充なども踏まえて上司やチームの仲間に相談してみましょう。仕事量を適切に配分することで各々が力を発揮しやすい環境になります。自分だけがプレッシャーを抱えるという状態にならないように周りのメンバーを頼ることを意識しましょう。

上司や同僚とは適度な距離感を保つ
会社は、共通の目標を達成するためのチームです。適度な距離感を保ち、お互いに気持ちよく仕事ができる良好な関係がベストです。あまりにも距離を縮め過ぎると、適度な緊張感が薄れてしまう可能性もあります。

気兼ねなく話せる仲間を社内で作っておくことは大切ですが、仕事をするときと、それ以外のときではメリハリをつけるように意識してみてください。

働き方や職を変える
さまざまなストレス解消法を試してみたものの、仕事のストレスが溜まり続けていて辛い場合は、今の仕事から離れることも一つの手段です。社内の部署異動の希望が出せる環境であれば、異動希望を出して、仕事内容や周りのメンバーを変えてみて様子を見ても良いでしょう。自分のストレスの原因となっているのが、異動によって解消できるのであれば、異動後の時間の経過とともにストレスが解消されるかもしれません。

一方で、異動希望を出せない環境である場合や、異動してもストレスが解消されなかった場合は、転職を視野に入れても良いでしょう。転職を決断する場合は、自分は何にストレスを感じているのか明確にし、それを確実に解消できることを条件に応募先を探すようにしてください。やみくもに転職活動を始めてしまうと、転職先でも同じストレスに悩まされる可能性があります。転職は少なからず時間と労力がかかるので、後悔がないようにしっかりと事前準備を行ってから始めるようにしましょう。

ストレスを溜めることで、自分の心身に影響を及ぼす可能性があります。そのため、定期的なストレス発散が重要です。ストレスを感じたら、まずは湯船につかってみる、好きな音楽を聞いてみるなど、自分で気軽にできる発散方法を試してみましょう。また、仕事を行う上でも、抱えている仕事の整理をしたり、周りの人にサポートを求めたりなど、ストレスを溜めないような工夫で対策を行いましょう。

さまざまなストレス解消方法を試してみても一向に状況が改善されなければ、異動を希望する、転職を検討するなど、環境を変えることも視野に入れてください。心身に影響が出てしまう前に、とにかくストレスを溜め続けないことが大切です。